「セルフメディケーション」の厚生労働省による定義について
林航平
Volume 2 Issue 2 Pages 9-26
First Published: March 30, 2020
Abstract
セルフメディケーション及びセルフケアは、医療分野における公的支出の削減という観点において重要な課題であり、1998 年よりWHO により推奨されている。我が国においては、これを促進する目的でセルフメディケーション税制が2017 年1 月1 日より適用されることとなった。厚生労働省はWHO を援用して、「自分自身の健康に責任をもつこと」をセルフメディケーションの定義の一要素として言及しているが、同省の引用している文書よりWHO による同様の見解の所述は確認できなかった。セルフメディケーション税制の周知にあたり健康の自己責任が強調されることによる影響について考察した。