ヒト感染チャレンジ実験:その歴史と現状(Ethics & Human Research, 2021)

フランクリン・G・ミラー, ジョナサン・D・モレノ, 翻訳:長井裕之
Volume 5 Issue 2 Pages 59-63
First Published: March 20, 2023

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Abstract

COVID-19によるパンデミックのさなかに、倫理学者や研究者、ジャーナリストは、ワクチン開発を促進する科学的手段として健常者ボランティアを意図的にコロナウイルスへ感染させる研究を推奨する。この小論では、感染チャレンジ実験の歴史をたどり、ナチスの強制収容所で行われた残虐な人体実験に対し1947年に公表されたニュルンベルク綱領について考察する。我々は、特に研究リスクの許容範囲や、被験者をリスクにさらすことを正当化するため必要な研究の社会的価値(social value)について、その綱領が、論争の的になっているこの種の研究の倫理を評価するための貴重なガイダンスを示し続けていると主張する。