病める人の語りに医学生はどう接するか
藤原実咲
Volume 2 Issue 1 Pages 21-27
First Published: September 9, 2019
Abstract
患者さんを中心とする医療が広がりを見せ、精神科領域においてはピアサポートの活用が期待されている。本論文においては、医学生である筆者がピアサポーターの方と接し立場に関する違和感を抱いた例を記述、分析することで、医学生の病める人の語りへの接し方に対する提言を行いたい。医学生が実習の中で患者さんとどう接しているかを確認したのち、社会の中で見られる病の語りの意味合いの多様性を、社会的背景を踏まえて考察する。さらに、医学生が医療情報を開示される立場にいることを正しく認識することの重要性を指摘する。医学生・患者関係を検討することは、その先にある医師・患者関係のより良いあり方について考えることにもなるだろう。