脊髄損傷患者の心理的ケア — 社会構成主義に基づくナラティヴ・アプローチの観点から考える

松崎拓海
First Published: July 27, 2021

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Abstract

突然の事故などで生じる脊髄損傷において患者は様々な葛藤に苛まれる。自己イメージに関する葛藤では、脊髄損傷患者は、受傷前の健常な自分を「本当の自分」であると考えており、受傷後の現実との乖離に苦しむと考えられる。よって、物語的自己を土台とするナラティヴ・アプローチは、脊髄損傷患者の心理的ケアに有用であると考えられる。そこで本論文では「どのようにナラティヴ・アプローチを脊髄損傷患者の心理的ケアに取り入れるか」を検討し、ナラティヴ・アプローチの具体的な実践である「問題の外在化」「ドミナント・ストーリーからオルタナティヴ・ストーリーへの書き換え」「無知の姿勢での傾聴」を脊髄損傷患者の心理的ケアに適応することを試みた。この成果は、脊髄損傷患者のナラティヴを傾聴する際の助けになるだろう。

 

Key words

脊髄損傷、障害受容、社会構成主義、自己物語、ナラティヴ・セラピー