共同意思決定過程において患者が注意した方がよい点についての考察

浅井篤, 大北全俊, 尾藤誠司
First Published: July 6, 2021

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Abstract

人は病を得て患者となる。患者は医療現場で自分の人生を変える健康関連情報(Life-changing health infor-mation , LCHI)に直面する。患者は疾患や障害に起因する身体的苦痛を経験するのに加えて、同情報によって大きな不安や恐怖、喪失感を抱える。患者の性格、感情、認知バイアスは共同意思決定過程に無視できない影響を及ぼす。問題が複雑で深刻な場合、意思決定自体から生じる葛藤の負担も大きなものになる。選択の基礎になる自らの価値体系はLCHIに直面し不安定になり、選択肢に関する選好はそもそも存在しないかもしれない。加えて共同意思決定の相手である医師が陥りやすい意思決定に関わる認知バイアスや感情の影響も明らかにされている。このような状況において、本論では人が病を得て患者となりLCHIに直面し共同意思決定に参加する際に、予め注意していた方がいい、自分に関わる主たる意思決定影響因子について検討する。そして共同意思決定に参加する患者は、それらの潜在的影響を予めよく知った上で意思決定に臨んだ方が、よりよい結果が生じる可能性があると主張する。

 

Key words

人生を変える健康関連情報、共同意思決定、性格、不安、認知バイアス、価値観