生命・医療倫理学入門コースを修了して/2005年10月コース受講者の感想

さる2月9日、生命・医療倫理学入門コースの修了証授与式が行われました。今回は、受講者のみなさんがコースへ寄せてくださった感想の一部を取り上げました。

●Aさん(看護大学教員)

今回は受講の機会に恵まれ、大変幸運でした。受講の動機は、臨床場面で倫理的な判断に迷ったり、疑問に感じ悶々とする事が頻繁にあり、看護倫理などの本を読んでみても今一つスッキリせず、そのたびに働くのが嫌になっていたので、何とかしたいと思うことにありました。今回のコースを通して、倫理的判断をするための論理的思考とはどのようなものかということ、その中でも様々な理論や解釈の違いがいくつかあり、それぞれに利点と欠点があり、必ずしもはっきり割り切れることばかりでもないのだとわかり、その点でスッキリしました。今後も臨床で悩むことには変わりないかもしれませんが、考えを進める方法は少しわかったことが今までとは違うと思います。

●Bさん(看護学校教員)

コースに出席して、スタッフの先生達の講義や演習、グループワークの参加などを通して、先生方の素敵な個性がよく伝わってきました。日本の中心に生命・医療倫理の教育と研究を担っている、赤林朗先生はじめ10名の先生方がいらっしゃることも知り、とても心強い感じがしました。生命・医療倫理について、今後も内容についての御助言をよろしくお願いします。

●Cさん(看護師)

今回このユニットに参加し、生命・医療倫理と言うテーマについて時間をかけ、多方面から考えることが出来て大変嬉しく思っています。これまでの臨床経験では、『これで良いのだろうか・・・』と感じる事があっても、それが『なぜ、どのような問題なのか・・・』という事が明確に出来ず、又それを他者と共有できる環境を作ることも出来ずにいました。そのような状況の中で、いつの間にか問題を問題と感じる事が少なくなり、又変えられない現状に無力感を強めているような状況でした。そのため講義を通し、総論から各論まで倫理的な問題を考える基礎となる知識を得ることが出来た事、それを通して様々な背景の参加者と意見交換をした事はとても刺激になりました。

●Dさん(製薬会社法務部勤務)

ここまで受講してきて、医療・生命倫理の問題について最も強く実感したことは、答えが一つではないこと(絶対的な正解はないこと)、但しその答えを出すためのアプローチの方法が非常に重要だということです。最大人数の小さな満足を得ることが大切なのか、最少人数の大きな満足を得ることが大切なのか、個別具体的な事案によって出す答えは異なると思いますが、そこに至るアプローチを様々な観点から評価し、常に多くの人の理解を得られるものにすることの大切さが理解できたように思います。

●Eさん(看護師)

SGDは、自らの価値観や態度を改めて振り返る機会となりました。グループメンバーにも恵まれ、今後も多くの刺激や支援をいただける仲間づくりができたことは、受講当初は予想していなかった収穫であり、このような機会を得たことにも感謝します。

●Fさん(編集者)

医療従事者でないため、最初は戸惑うことが多々あり、最後まで参加できるかとても不安でした。まず専門用語が分からない。SGDでは、どのような立場で参加すれば良いのか、とても戸惑いました。しかし、倫理委員会は医療従事者だけではないのだから、違った立場から考え、医療従事者ではなく患者・家族の立場として考えればそれぞれの立場での考え方ができるのではと思えば、少しずつ参加することもでき、大変でも毎週の講義で一番楽しい時間だったかも知れません。

●Gさん(研究所勤務)

医療倫理は直接に生と死を取扱うこととなる。今講義では、その根本の考え方が西洋思想を中心にしていることは、逆に言えば日本では体系的に生と死又は医療倫理を扱ってこなかったということは否めない。しかし、日本人の死への潔さ、公共心(時には全体主義として否定されるが)という美徳を倫理に反映させても良いのではないかと思う。

●Hさん(看護師)

高齢者の意思の尊重とは?高齢者医療のあり方とは?など、現場での疑問が多々あり、参加した。また、倫理についての基礎知識がないことに対する不安もあった。CBELに参加し、その不安は軽減したかと言えば、全く軽減はしていない。しかし、不安があっても良い。考えることが大切であると、思えることができるようになった。だからこそ、自分以外の人の意見を聞くことが重要であることを再認識した。

●Iさん(学生)

冬休み中に、「入門・医療倫理」の基礎編を通読して、あぁ、もっと早くに読むべきだったなと後悔しました。講義の間「??」と思っていたにも関わらずそのままにしておいた疑問がスッと解けました。この教科書を片手に講義を受けられたことをすごく幸福なことと感じています。

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