無痛分娩の母性への寄与の検討および普及への課題の考察

芳賀太郎
Volume 1 Issue 1 Pages 78-82
First Published: September 28, 2018

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Abstract

日本での無痛分娩の普及率は 6.1%と諸外国に比べて低いままであり、「お腹を痛めて産むことが母性獲得につながる」という考えがその一因になっている。産後の聞き取り調査では無痛分娩と自然分娩との間に母性の獲得という点において差は見られなかった。通過儀礼的思想や自然回帰的思想、そして妊婦に接する医療者が古い情報に基づき無痛分娩を敬遠していることなどが普及を停滞させており、エビデンスに基づく啓蒙が課題である。