倫理指針下の研究における不適合報告に関するミニレビューと事例調査

森拓也, 渡邉卓也, 小杉眞司
First Published: July 8, 2022

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Abstract

我が国における行政が規定する倫理指針には、 指針からの逸脱を「不適合」として倫理審査委員会に諮ることを求める規定が存在する。 これらは被験者保護における重要な課題であり、 その重篤性の判断を倫理委員会に委ねられるが具体的な例示等はない。 よってわれわれは不適合に関する報告の情報を得ることを目的に、 系統的レビューと、 任意に抽出した倫理委員会における不適合報告審査の事例を調査した。 結果は、 系統的レビューにおいて、 不適合に関する報告を主旨にした論文は存在しなかった。 倫理員会の事例調査では、 大学間で不適合報告の審査についての公表は大きく異なる事、 多くて全新規申請計画書の2.2%に不適合が起こることが明らかとなった。 本調査結果より、 不適合に関する報告の情報は日本国内において非常に数少ない事が明らかとなり、 今後、 不適合報告に関する情報について、 広く共有する必要性が示唆された。

 

Key words

倫理指針、 倫理委員会、 倫理審査、 研究倫理、 不適合報告