医療機器を譲る⾏為は、称賛すべき⾏為か?

⻘⽊耀平
Volume 3 Issue 1 Pages 30-37
First Published: October 8, 2020

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Abstract

Covid-19は、私たち⼈類に様々な課題を投げかけたが、医療倫理学的にも重⼤な問題を提起している。その⼀例として、医療機器が不⾜する状況が起きた場合の配分の問題がある。その際、最⼤数を救命するために医療機器を外して、ほかの⼈に付け替えることが必要となる状況も考えられるが、その⾏為は果たして倫理的に正当化されるのだろうか。⼀⽅で、その⾏為は外される⼈の⽴場から⾒ると「医療機器を譲る⾏為」といえる。この論⽂では、⼈⼯呼吸器を外される⼈の⽴場から「医療機器を譲る⾏為」は称賛されるべきか否かを、徳倫理を中⼼とした視点にて考察した。