臓器移植の倫理における静かな革命 (Journal of Medical Ethics, 2017)

アーサー・カプラン, ダンカン・パーブス, 翻訳:筒井晴香
Volume 1 Issue 1 Pages: 40-47
First Published: September 28, 2018

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Abstract

静かな革命が移植の領域で起こりつつある。伝統的には、移植はレシピエントの死亡を防ぐために移植される腎臓、心臓、肝臓などの固形臓器を含んできた。今や移植は、レシピエントの生活の質(quality of life)を改善することを目指し、顔、手、子宮、ペニス、喉頭などについて為される。生命を救うことからよりよくすることへのシフトは、長きにわたって臓器移植の基礎を形成してきた倫理的思考のシフトを要求する。新しい形式の移植が付け加わることで、医師、患者、規制者、そして一般大衆は、生命を救うこと・生命を引き延ばすこと・生活の質の改善を達成するために生命を失うリスクを負うことの間のトレードオフによって表されるリスクと利益の割合を再考しなければならなくなる。