生命・医療倫理学入門コースを修了して/2007年4月コース受講者の感想

さる7月12日、生命・医療倫理学入門コースの修了証授与式が行われました。今回は、受講者のみなさんがコースへ寄せてくださった感想の一部を取り上げました。

●Aさん(雑誌編集者)

当初思っていた「医療素人の私が講義についていけるか……」という不安は杞憂に終わり、4ヶ月間、毎週木曜が楽しみでした。講義のスライドの内容はもちろん、教室の雰囲気や言葉の選び方、先生方の呼び方に至るまできめ細かい配慮が行き届いており、“生命・医療倫理コンサルタントを育てよう!”という気概が伝わって参りました。振り返ればCBELの受講を希望した時、私は(編集者なもので)「とかく感情の吐露で終わりがちな生命倫理を、一般向けメディアを通じて問題提議する」と目標を定めましたが、それを達成する土台が築けたと感じております。大勢の医療関係者の皆さんに混ざって現場の実情を教えていただき、意見の違う方々の思考の構造を知れたことは、予想以上の収穫でした。

●Bさん(医師)

私は日々臨床において遭遇する倫理的な問題に対し、より適切に対処できる医師になりたい、という希望があり受講しました。まずは法やガイドラインを遵守しているか確認をし、その上で医療倫理の四原則や臨床倫理の四分割表など、実践的な知識を用いて、「倫理的な考えをする」、その土台が得られたと思います。
講義の形式について提案があります。各講義の後と、スモールグループディスカッション後の解説の後にもう少し質問の時間があった方が良いと思いました。というのは、他の受講者が質問するのを聞き、このように考える人がいるのか、と自分の視野の狭さに気付かされることがしばしばあったからです。それは主に医師ではない人が質問した時でした。受講者の職種は多様であり、異なる医療・研究の現場を経験してきている人が集まっていますので、それを活用するとより有意義なディスカッションができるかと思います。

●Cさん(薬剤師、倫理委員会事務局)

毎回、最後に出される演習のテーマに感嘆している間に、あっという間に3ヶ月が過ぎてしまった。CBELの魅惑の講義もさることながら、毎回のスモールグループディスカッションが楽しくて仕方なかった。普段、病院の狭い世界で過ごしている私にとって、多職種の方たちとの対話は本当に実りあるものだった。意見の対立を経て、その事例に対する新たな見解を得られるということは、この対話なくして実現し得ないと感じた。自分たちの抱える判断に戸惑う事例について、CBELのように意見を交換し合える場所は、我々医療者にとって今後医療技術、患者背景が高度化、複雑化していく中でますます必要不可欠になっていくと思う。このような場を自分の施設にも広めて行くことが出来たらと考えている。

●Dさん(製薬企業勤務)

前半の倫理の基礎編は、哲学的な話で、このままついていけるのか正直不安になりましたが、講師陣により前半は辛抱だと励まされたことに素直に従ってみました。実際、事例を検討する上での拠り所は、倫理理論や4原則等であり、繰り返し、前半の講義記録へ戻ってみることが多かったです。したがって、やはり基礎は大事だなと思いました。

●Eさん(高校教員)

生命倫理は応用倫理学であり、当然、倫理学についての素養がなければ十分な考察ができないことがわかっておりましたが、一人でそれを扱っていると、どこから手をつけてよいのか分からず、受講する生徒にとっても今考えると不十分なアドバイスしかできなかったように思い、大変恥ずかしい思いがします。
以前から、このような問題は医療従事者だけでなく、一般の人々にとっても重要な問題をはらんでいると思ってきました。何とか中等教育の中でもこのような問題を扱えるようなカリキュラムを考えたいという思いが、この講座を受講することによってさらに強くなりました。

●Fさん(看護師)

今回講義を受けることで倫理的な問題が生じてきた背景や問題解決に向かうための考え方が理解できました。CBELの講義は系統的に組まれており、今まで知らなかった哲学的な思考や関連法規など、問題を考えるのに必要な知識が網羅されており期待通りの充実した内容でした。講師陣もすばらしく、熱心に教授して下さりその熱意が伝わってきました。毎回のグループデスカッションも、受身であった講義から自主的に問題を考えるのには良い機会となりました。メンバーはそれぞれに視点や価値観が違い、多方向から問題を考えることができました。今後も可能であればOB会に参加して、自己研鑽していきたいと思います。

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