生命・医療倫理学入門コースを修了して/2006年4月コース受講者の感想

さる7月13日、生命・医療倫理学入門コースの修了証授与式が行われました。今回は、受講者のみなさんがコースへ寄せてくださった感想の一部を取り上げました。

●Aさん(新聞記者)

CBELの人材養成の対象は主に医療従事者ですが、そこからいろいろな方面へ波及し、輪が広がって、医療従事者側と患者側の間の溝が少しずつ埋まっていく動きが出てくればと願っています。また、今回CBELの講座に参加したことによって、自分の立場では何ができるのか、そのことを考えながら仕事を続けていきたいと考えるようになりました。

●Bさん(医師)

講義を受けるだけで倫理的な人間になれるのだろうかと疑問がありましたが、「倫理的になれるわけではないが倫理学的に考えることができるようになる」とのお話を伺って納得しました。そしてコースが終了に近づいた今、倫理学的な議論が行えるかどうかは自信がありませんが、少なくとも倫理学的に考えようと努力する姿勢は身に付いたように思えます。

●Cさん(看護師)

臨床場面で遭遇する様々な倫理的問題の解決の糸口を探す為の知識を得る機会を与えて下さったことに感謝します。私にとって、かなり濃厚な講義内容(ディスカッションを含む)と講師の真摯な態度に、共に学ぶという雰囲気が強く感じられました。倫理的問題の解決方法(いかに判断するか)を学べるこのような機会を、臨床の多くの人々が得られるよう、今後も継続していただけたらと思います。

●Dさん(大学講師)

参加前は、正直に言えば夜に3時間の講義ということで恐れおののいていたのだが、およそ50分の講義2コマと1時間のスモール・グループ・ディスカッションというテンポよい時間構成のため、苦痛のないとても充実したプログラムであった。また、「模擬倫理委員会」を体験できたことは、非医療者として貴重な情報が得られたと思っている。医療というのは多くの人間にとって身近なものであるにもかかわらず、現実には医療者と非医療者間で立脚基盤が大きく異なるため思考のズレが生じやすいが、今回、双方の立場を知ることができ有意義であった。

●Eさん(医師)

私は臨床の現場で毎日働いていますので、今回の講義を受ける度に、その翌日から自分の中で認識が変わるのを感じました。患者、その家族、周囲の医療従事者、そして自分の言葉と態度に別角度からの光が当たるようになったからだと思います。臨床現場では毎日、意識的にせよ無意識的にせよ多くの「倫理的な内容を含む」判断を繰り返しています。この中で、意識的なものはより倫理的な判断が入り込み、無意識的なものは「あぶりだされるように」見えてくるようになったのです。また、遺伝学やクローニングなど、自分にとってはあまり身近ではない問題も、今後は問題意識を持って考えていけると思います。まずは身近である自分の職場から「倫理的な考えかた」を広げていければと考えています。

●Fさん(製薬企業勤務)

この講座を受けて、社内の倫理委員会の印象が変わりました。前回の研究倫理を題材とした模擬倫理委員会が、とても新鮮で衝撃的だったのです。模擬倫理委員の方は、皆この講座を受けていることもあって、着眼点が鋭く、研究倫理に必要な「ヒト試料を使用することの研究的妥当性」「インフォームドコンセントの内容」に的が絞られた討議がなされ、非常に充実感がありました。当社の倫理委員会とは温度が違うと感じました。この模擬倫理委員会のいいところは、様々バックグランドの人が率直に意見を出し、共有し合える点と、各方面の「プロ」が確実にその模擬倫理委員会における倫理的な焦点を指し示し、分かりやすく解説を加えてくれるところにあると思います。

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