生命・医療倫理学入門コースを修了して/2005年4月コース受講者の感想

さる7月14日、生命・医療倫理学入門コースの修了証授与式が行われました。今回は、受講者のみなさんがコースへ寄せてくださった感想の一部を取り上げました。

●Aさん(医師)

講義全体を通じて、特に「周囲の理解を得るためには、個人の経験則だけではなく、それなりの論理展開・裏づけが必要であり、そのためのツールを身につけさせるよう」講義がプログラムされていると感じました。また、これだけ多くのプロフェッショナルなスタッフを揃えている点に驚きつつも、その恩恵を十二分に得させていただきました。各講師の方々のご講義は、素人にもわかりやすく、イントロから丁寧に説明しつつも、最終的には、ある程度のレベルまで、我々の知識を引き上げてくださるように配慮されていたと思います。

●Bさん(教育センター勤務)

講義の内容は、生命倫理に関する事柄が幅広く網羅されていて興味深く、学習意欲を高めるものである。特に、法律に関するセッションの判例や法的な規制については、私が経験している生命倫理に関する学習の中では余り踏み込まない分野なので、非常に興味深いものである。

●Cさん(助産師)

それぞれの講師方達の講義概要の目的は理解できるし、なるほどと思う反面、多少一般的すぎないかと期待はずれな部分もあった。参加者はそれぞれの分野で興味のあるところについてはかなり専門的な知識、経験があるため、なるべくならどのようなことに興味を持っているかを予め意見聴取して講義に少しでも入れていただけるとよいと思う。

●Dさん(医薬情報センター勤務)

この入門コースに通ったおかげで、いままで直観で判断していたケースに対しても、多様な考え方の方法論を使い、自分の出した回答を確かめられて、少し自信がもてるようになりました。しかし生命倫理の問題はまだまだグレー・ゾーンも多いので、これからも月1回ぐらいメンバーで集まって勉強し続けていきたいです。

●Eさん(看護師)

心のどこかで“こんなことを言ったらおかしいかも”と、セーブしてしまいがちの今まででしたが、意見交換してみると、ずれている考えというよりもその個人の性格特性がよく現れており、その個性を生かし、ひとつの問題を共に考えることで人は分かり合えるのだと改めて感じました。その当たり前のことに気づかされたことで、心が少し軽くなりました。これは収穫でした。

●Fさん(データマネジャー)

討議の時間を十分に設けていただいたことで、講義で勉強した内容を確認しながらグループの仲間が持つ意見も十分聞くことが出来、考えれば考えるほど深い倫理の問題を、とことん考えることが出来た。面白かったのは、選んだ選択肢が異なり最初は意見が違った場合でも、その選択肢を選んだ理由を聞くと納得できる根拠もあり、選んだ選択は違うものの、選んだ過程での論理的根拠は支持するべきであることも多かった。充分に討議の時間が持てれば意見が異なる相手であっても話し合いによってお互いに納得できる結果が出せる可能性がある、と痛感した。

●Gさん(医師)

スモール・グループ・ディスカッションの後、担当の講師の方だけでなく、スタッフ一人ひとりの個人的な、人格が透けて見えるような判断や意見を、その都度示していただけたら、もっと面白くなるのではないかと思います。

●Hさん(大学教員)

現在、民間のIRBで委員をさせていただいているのですが、本コースの遺伝子解析の演習に参加した後に、遺伝子解析を含む試験を審査する機会があり、その際に大変参考になりました。一方、勤務先の大学においては、教室のセミナーにて受講報告を行い、内容の一部を紹介させていただきました。学生も興味を持ったようであり、活発な質疑応答が行われ、薬学との関連性などについて検討できる可能性を実感できました。このように、教えていただいたことを自分の活動にリアルタイムに還元することができ、非常に充実した時間を過ごすことができたと思っております。

●Iさん(会社員)

これまでより判断に迷うようになりました。これまでは、自分の直観だけで白黒の判断をしていたように思います。自分の判断と反対の意見であっても、その意見の背景の明確な理由を聞くと、逆に自分の判断を客観的に見ることができるようになります。物事を多面的に捉えて、そこから判断を積み上げて、最終的に結論をだすことを学んだように思います。

●Jさん(CRO)

8月から、私が所属する会社の新人社員対象に「倫理と守秘義務について」という講義を行うことになりました。講義のやり方や資料の作り方などとても参考になったので、それも合わせて今回学んだことが役に立ち、学んだことを形にできるチャンスです。とにかくやってみようと思います。

●Kさん (医師)

講義には「宗教と倫理」に関するものがなかったが、講師の先生方の専門性によるのであろうか。私はキリスト者(ただし不良信徒)なので、「人における罪とは何か」「死とは何か」とかには、ごく単純な、自分なりの基準がある。キリスト教ではこのようなテーマはごく身近で、かつ信仰上避けては通れない重要な概念として、繰り返し教えられている。欧米の宗教観に裏打ちされた生命・医療倫理が、日本でどこまで根付けるのか、どう応用するのか。機会があったら、このようなテーマのお話をCBELでもぜひ開催していただければと希望している。

 

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