生命・医療倫理を学ぶ

生命・医療倫理に興味を持ち、大学院で勉強したいと思った方へ大学院入学情報等を紹介します。

入試日程・募集要項等について

*医学系研究科ホームページ 大学院入試情報
※来年度入学者向けの募集要項は5月中旬から配布・公開。

公共健康医学専攻・医療倫理分野について

*医学系研究科 公共健康医学専攻(専門職大学院)School of Public Health(SPH)

*医学系研究科 公共健康医学専攻 医療倫理学分野


2009年春に本学 医学部健康科学・看護学科を卒業後SPHに入学した修士課程1年の高島響子さん(現在は修士課程2年で、米国ペンシルヴァニア大学へ留学中)は、週5日講義を受けるほか、医療倫理の各分野における論点を学んだり、医療倫理的な視点を身につけられるよう講義を受けた後も積極的に勉強会やセミナーに参加している。講義の中で公衆衛生学の基本となる考え方や知識を身につけようと時間割を決めた。
修士課程1年時の高島さんの1週間

高島さんのおススメ講義

  • 医学データの統計解析
    生物統計学の基礎的なことから、データの種類とそれに合わせた(データの特長を引き出す)解析法を、具体的な医学データを例に解説。毎回小レポートが出て、最低限理解すべきところが押さえられる。ソフトウェアを使用してデータ解析を行う「医学統計学演習」と合わせて受講するとより理解が深まる。
  • 医療安全管理学
    東大病院での安全管理の取り組みに加えて、医療現場で実際に安全管理を担っている外部講師が来て政策や取り組みについて講義する。
  • 疫学研究と実践
    疫学の歴史と疫学研究の種類・特徴が学べる。実体験として、データを取る際の苦労などを話してもらえるリアリティ溢れる講義。

高島さんは、何でもじっくり話を聞いてくれる先生や先輩に恵まれたことが一番良かったという。そんな高島さんの将来の夢は人の健康に関わる仕事に従事すること。その夢に向かって歩み始めたばかりだ。

医療倫理を学ぼうと思った院生のバックグラウンドは様々。

病院の薬剤科に勤務した経験のある中田亜希子さん(修士課程修了)は3歳の女の子を持つ主婦でもある。2足の草鞋を穿く中田さんの研究は、 MR(医薬品メーカーの医薬情報担当者)の経験を生かしたMRの倫理教育だ。
中田「私が大学で学んだ頃は、講義の所々で倫理的な教えがあったと思いますが、まだ臨床薬学という分野がなかったので薬学に関する倫理のようなことは学びませんでした。しかし世間では薬害が起きていたり、調剤薬局や病院の薬剤科で勤務する中で「これは判断に迷うな」ということが多々ありました。私がSPH で医療倫理を学ぶことで『薬に携わる者の倫理』という輪郭が分かればいいなと思っています。」

清水美緒さん(修士課程修了、博士課程休学中)は他大学で看護学科を卒業後、SPHの門を叩いた。学部4年生時に看護経済論や公衆衛生学の授業を受けた際に、日本や世界の医療を考える上で看護よりももっと広い視野で物事を考える必要があると感じたからだ。看護師と保健師の資格を持つ清水さんは、SPHを選んだ理由をこう語る。
清水「SPHでは医療倫理だけでなく、医療経済学や医療統計学、疫学など幅広く学べるのが魅力です。修士1年時は、授業がたくさんあるのでそちらで精一杯で研究はほとんど何も手をつけていませんでした。1年の冬頃から研究をし始め、現在は生殖補助医療分野における、卵子提供の匿名・非匿名の倫理的問題について研究していますが、またテーマが変わるかもしれません。」

修士課程2年の高島さんは、本学の医学部健康科学・看護学科を卒業しSPHへそのまま入学。学部時代に受けた「医療倫理学」の講義に強く興味を抱いた。医療倫理でも特に生殖補助医療(不妊治療全般のこと)における人々の価値観の相違に関心があり、学部の卒業論文では代理懐胎(代理母)を取り上げた。
高島「SPHは公衆衛生において必須の知識や考え方を身につけた専門職を育成するために、大学院にも拘らず多様な授業が用意されています。熱意ある学生が多く集まっているので、授業は質問や議論が盛んに交わされて面白いです。」

SPHの修士課程を経て、現在、博士課程に在籍する伊吹友秀さんは、1歳の息子を育てながら忙しい研究生活を送っている。
伊吹「私のメインテーマは『エンハンスメント(人体改造)の倫理』、医科学技術を使ってどこまで人間を改良・改造しても良いのかについて研究しています。その中でも、人間の寿命を今まで以上に延ばす技術や、記憶力や集中力を高める薬の倫理的問題を中心に扱っています。自分が知らなかったことや自分では思いもつかなかった考え方に出会えた瞬間に医療倫理分野で研究していて良かったなと思います。この学問分野がもっと多くの人に興味を持ってもらい、様々な人々が参加し、一つの学問領域として今後さらに発展していけばいいなと思っていますし、そのことが日本の医科学技術の発展にも間接的に貢献できるものと考えています。」

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